働くということ

振り返ってみると、名前を聞けば誰もが知っているような(たぶん)大企業のグループ会社で勤務した経験から、雑居ビルのワンフロアを借りて数十人でやっている零細企業で働いた経験から、一人でフリーランスとして仕事をするということも経験させていただいている。

 

そう考えると、「働き方」とか「組織で働くことと、個人で働くこと」の違いとか、そういうものを結構感じて仕事をしてきた印象がある。

 

色々やってきて思うのは、「組織で働く」ことと「個人で働く」ことは決定的に違う、ということがまずある。組織で働いている以上、よほどヤバイ会社だったり、よほどどうかしていない限り、毎月給料が支払われる。むろん、組織でも完全歩合制です、という会社はあるだろうけれど、まあ少ない。

 

大体の場合は、組織で働いていると、目の前に仕事が置いて行かれる。そして、それをこなすという形になりやすい。そうでない組織やケースもあるだろうけれど、そうなることが多々ある。

 

一方で、フリーランスは自由である。働くも働かないも、自由だ。ただ、多くの場合、働かなければ収入は入ってこない。まれに、働かなくてもいるだけで収入が入ってくる立場の人というのもいるけれど、それはさておき。

 

今日、友人と話していて改めて思ったけれど、「組織で働く」ことが出来るのは才能だと思う。特に、今の日本で会社勤めができるのは、ある種の才能として考えるべきだと思う。

 

日本の組織、会社というのは、(あくまでもぼくの私見だけれど)今のところ非常に形式というか、ルールを重んじる。あとは「出来るだけ失敗しないこと」が重要視されたりする。そりゃまあ、仕方ないやろなとぼくも思う。大きな企業になればなるほど、「失敗」は許されない。

 

「何かにトライした時点で成功。成功の反対は『何もしなかったこと』さ」なんつって、松岡修造か何かの劣化版のような前向きコメントを残しても、日本企業では許されない。例えば失注は「失敗」だし、納期遅れは「失敗」なのである。どれだけ「ナイストライ!」と言ったとしても、上司にはキンキンに叱られるわけである。

 

ただ、組織で働く、ということが性に合っている人も絶対にいる。これは、おそらく一定数いる。人から言われたことを着実にこなす、指示や(短期的な)目的が明確な仕事が得意な人は、組織で働いていた方が楽だろうな、と思う。

 

ただ、「なんでこんなことしてるんだろう」とか「これをやる理由がわからん」とか「この仕事が何かの役に立ってるんだろうか?」と思ってしまう人は、組織向きではないかもしれない。

 

大きな組織でしか出来ない仕事、というものもある。例えば、大きなお金を動かす仕事や、国と関わる仕事などは、なかなかフリーランスでは難しいかもしれない(道がないわけじゃないけれど)。

 

例えば、産業用ロボットを作りたい!と思っている人は、一人で工場にこもるよりは、組織を利用した方が早いだろうなと思ったりはする。どう考えても、役割分担した方が効率が良いからだ。

 

でも、「○○のために○○したい」とか「○○して生きていきたい」とか、もう明確な目標なりビジョンなりが見えている場合には、個人でやった方が早いかもよと思ったりはする。

 

組織の目的は、もちろん理念の実現もあるけれど、会社である以上は利潤の追求にならざるを得ない(もちろん、仕事においてはそれが絶対条件だ)。けれど、個人の信念を曲げてまで組織で働く必要はない、とぼくは思っている。

 

何より大切なのは「自分の思いを大切にすること」だし、「自分の理想に許可を下ろすこと」だと思う。この辺はまた詳しく書くかもしれない。

 

これはあくまで、ぼくの勝手な予想だけれど、これからは「会社」や「組織」に所属して仕事があってもなくても変わらない、という仕組みから、会社と個人がプロジェクトや仕事ごとに契約を結んで、仕事を進めるという時代になるんじゃないか、と思っている。

 

会社側は社員の終身雇用を保障する体力がなくなってくるだろうし、個人は個人で自分のビジネスや、やりたいことで生計を立てたい、と思う人もいるかもしれない。完全に雇用関係になると、会社としては固定費がかかるし、社員側は可処分時間が減る、という課題がある。

 

だから、お互いにプロジェクトごとにフリーランスが集まったようなメンバーを作って、仕事を進めたら良いんじゃないか?とぼくは思っている。

 

何か収入源が一つ、会社からもらえる給料ですべて賄う、という時代でもないんじゃないか、とぼくは思っている。その人が持っている才能やスキル、価値などを(今のところで言えば)お金に換える、その換えどころが会社でも良いし、直接そのスキルを売るでも良いし、そのスキルを習いたいという人に伝えてもいい、かもしれない。

 

パラレルワーカー、とでも言うんだろうか。いくつかの収入源、仕事を両立させて、生きていく。そんなやり方も良いんじゃないか、とぼくは思っている。

 

そして何より、働くのが楽しい、自分の才能を120%発揮して仕事ができたとしたら、生きがいになるはずである。こういう状態ならば、定年なんていう仕組みも考えなくてもいい。働き続けたい人は働くし、そうでない人は引退するのもいいだろう。

 

これからの働き方は、今まで以上に自由に、枠にとらわれない形になりそうな気がする。ぼくはそれを楽しみにしている。その方が、各人の才能がより発揮されて、社会全体の価値は確実に上がるはずだからだ。間違いない。

 

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