部屋とYシャツと段ボール箱と引っ越しと私

引っ越した。

 

唐突にそんなことを言われても・・・と思うと思う。ぼくもあなたの立場なら、全く同じ感想を漏らすはずである。でも、そんなことはお構いなしに話は続ける。

 

不動産の賃貸には不思議なことがたくさんある。例えば、「礼金」。なぜ、借りる側、言い換えればサービスの提供を受ける側が、貸す側、言わばサービスを提供する側にお金を支払わなくてはならないのか。不思議なもんである。

 

しかも、この礼金なるシステムは関東にしかない(何でも、関東大震災の時、住居不足で借りる側の立場が弱かった頃の名残が残っているのだとか、いないとか)という話もあって、事態は混迷を極めている。謎だ。

 

あと、なぜ二年で更新しなくてはいけないのかも、よくわからない。

 

一年でも三年でもなく、二年。プロ野球選手のように、単年契約で結果を出します!ということもいいじゃないかと思うのだけれど、そうはいかない。逆に、二年以上住み続けたくても、二年の時点で「どうします?」という問い合わせが必ずくる。

 

何か理由はあるのだろうけれど、ちょいと面倒ではある。

 

ちなみに、賃貸住居者が「一年で結果を出します!」といった場合の「結果」が何を指すのかについては、ぼくもさっぱりわからない。

 

それはさておき。今回の引っ越しは更新のタイミングに合わせてのものだった。

 

引っ越しをするといつも思うのだけれど、自分の荷物の多さに愕然とする。ぼくはこんなに荷物を持っていたのか、と、呆れるやら、驚くやらということを引っ越しのたびに繰り返す。

 

ぼくの理想は、大きなスーツケース一個に家財道具が一切合切入っているくらいの荷物で生きていくこと、である。

 

ところが、今回引っ越してみたところ、段ボールだけでも20箱くらいあった。おかげで、ぼくがスーツケース一個に家財道具を一切合切という夢の実現は、しばらくは絶対に無理だということがはっきりした。やれやれだ。

 

そしていつも思うのが、二年間開けていない段ボールの存在である。

 

引っ越しのたびに、だいたいある。「あれ? この段ボール、前回引っ越してきたまんまやん」というやつ。つまり、二年間手つかず。なのに、生活に何の支障もない。だが、捨てるに捨てられないものが入っていたりする。

 

どうせ生活に支障はないのだから、思い切って捨ててしまえばいいのだろうけれど、どうにもこうにも踏ん切りがつかない、ということもある。だから、また段ボールのまま保管して、二年後「これって・・・」を繰り返すことになる。まあいいんだけど。

 

ひょっとすると、人間の感情や思い出も、同じようなもの、ことがあるかもしれない、とふと思った。

 

ずっと大切にしていた想いや、感情や、思い出なのに、「あれ? この箱しばらく開けてないや」ということがあるんじゃないか、と思ったりする。

 

二年どころか、何年も開けていないと、開けるのもおっくうになるし、「ま、これはこのままで・・・」となりがちだったりもする。

 

でも、実は今の自分には必要がない、いらないものがそこにはあるかもしれない。それを捨てるには、ひとまず見に行くしかない、と思う。

 

段ボールも開けてみないと、いるのか、いらないのかの判断ができない。

 

ぼくは、そういうことをついつい面倒くさがって、やりたがらない性格である。「今困ってないから、いいでしょ? 段ボール開けなくても」とか思ってしまう。それで、使っていないものが詰まった段ボールが山積みになっていく。そして、フットワークがどんどん重くなる。

 

軽やかに生きていくためにも、ぼくは段ボールを開けようと思う。

そして、いらないものは捨てていこうと思っている。

 

そんなことを、未開封の段ボールに囲まれながら書いている。やれやれである。

 

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