ブックカバーチャレンジ DAY4:『変身』

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このブログ記事は、「7日間ブックカバーチャレンジ」との連動企画となっております。基本的には、7日間連続で、ぼくが好きな本、影響を受けた本をSNSで紹介、その内容をブログで紹介していきます。よって、7日間が終わったら終了する予定ですが、調子に乗ってもう少し続けるかもしれませんし、7日間続けないかもしれません。

 

DAY4:『変身』(フランツ・カフカ 著)

 

 

不条理もの(というジャンルがあるかどうか知らないが)の金字塔とも言えるこの作品。

 

全然関係ないけれど、仮面ライダーが人間から「あの姿」になるときに「変身!」と叫ぶのは、この作品から来ている、らしい(Wikipediaに書いてあった)。

 

この本をぼくが読んだのは中学生だったか、高校生だったか。とにかく、設定(というか、冒頭)から、とてつもない衝撃を受けた記憶がある。

 

なにしろ、朝起きたら自分が毒虫になっていた、というのである。

 

とりあえず、ぼくは43年間生きてきたけれど、今のところ、朝起きて毒虫になっていたことは一度たりともないし、今後もぜひナシの方向でお願いしたいと思う、でも、この作品の主人公であるグレゴール・ザムザ氏は、あろうことか、ナシ方向でアリになってしまったのである。

 

あ、なったのはアリではなくて毒虫なのだけれど。

 

とにかくぶっ飛びまくった作品の入りから、物語は当然嫌な方向に進んでいく。毒虫になった自分を排斥する家族。毒虫きっかけで始まるケンカ。確かに、家族側もどうするよ、コレ・・・と頭を抱えたに違いない。

 

そして物語は、静かに終わりを迎える。ハッピーエンドと言っていいのか、悪いのか。どういう感情でこの終わりを迎えて良いのか、ぼくは未だによくわからない。ただ、こういうことって現実世界にもあるんだろうな、と思ったりはする。

 

あ、朝起きたら毒虫、とかそういう方向ではなくて。

 

これも、大分昔に読んだ小説だから、細かいことは忘れてしまっている。でも、この作品が持つ独特な「嫌な感じ」や、何とも言えない後味の悪さというか、何と言っていいかわからない感覚は、未だによく覚えている。

 

ちなみに、ザムザ氏は何か悪いことをしたから毒虫になっちゃったんだよ、みたいな、因果応報的なストーリーであれば、もう少し「んじゃまあ、仕方ないか・・・」と思えるのだけれど、ザムザ氏は毎日普通の仕事をしていただけなのに、急に毒虫になってしまうという、これまた何とも不条理極まりない話。

 

しかし、この世は不条理なことだらけだ。子どもの頃から見続けていたテレビの中のスターがあっけなくいなくなってしまったり、自分よりも才能があり、若い人が自分より先にこの世を去ってしまったり。昔のぼくならば、「なぜ自分ではなく、この人が」と思っていただろう。

 

今は、こんな不条理に直面して、ぼくはこう考える。

 

「じゃあ、生きているぼくは何ができる?」

 

死ぬことは、悪いことじゃない。生きること、死ぬことに良いも悪いもない。人は生まれ、いつか死ぬ。それは、ある意味この世における最大の法則のようなものだ。

 

でも、自分と関わった人や、自分の知っている人がこの世から去るのは悲しい。なぜ自分ではなく、この人が、とも思う。でも、ぼくは生きている以上、生き恥をさらしても生きなきゃならない。

 

この世で何ができるのか。それを考えながら、必死のパッチで生きるしかない。

 

明日目覚めたら、毒虫になっていないことを心から祈りながら。

 

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