ブックカバーチャレンジ DAY5:『にぎやかだけど、たったひとりで』

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このブログ記事は、「7日間ブックカバーチャレンジ」との連動企画となっております。基本的には、7日間連続で、ぼくが好きな本、影響を受けた本をSNSで紹介、その内容をブログで紹介していきます。よって、7日間が終わったら終了する予定ですが、調子に乗ってもう少し続けるかもしれませんし、7日間続けないかもしれません。

 

DAY5:『にぎやかだけど、たったひとりで』(丸尾孝俊・吉本ばなな 著)

 

 

バリ島のアニキこと丸尾孝俊氏と、交流のある吉本ばなな氏による共著、というよりは、吉本ばななによるアニキの紹介本といった方がしっくりくるかもしれない。

 

数あるアニキ本の中で、ぼくがこれを選んだ理由。

 

それは、アニキとばななさんに、ある共通点があるから。

その共通点とは、過去にぼくが一方的に

お二人を毛嫌いしていた時期がある、ということ。

 

ぼくが高校生か大学生の頃に『大富豪アニキの教え』という本が大ヒットした。

 

当時のぼくには、アニキの風貌やタイトル、帯のキャッチコピーなどなど、到底受け入れがたい本だったのだ。よって、中身を読むようなこともなく、「なんか、ああいうのは嫌だ」と一方的に思っていた。

 

ところが、色々な経緯があって、ぼくは数年後(数十年後か)、バリ島に行き、アニキと対面する。もちろん、一対一なわけがない。アニキに会いに行くツアーに参加したのである。

 

きっかけは、知っている人間が立て続けに「そろそろ丸さん(アニキ)に会いに行こうかと思う」と言い出したから。

 

当時のぼくは、そういうお示し的なものをとにかく信じてみよう、という考え方だったので(今も比較的そうだけれど)、よし、会いに行ってみようじゃないか、と思ったのだ。

 

そこでぼくは、丸尾孝俊という人が大好きになってしまったのである。

 

ぼくがアニキを毛嫌いしていた理由は、いくつかある。

・いかつい
・大阪人
・距離感が近そう
・上半身裸(のイメージ)
・金持ち
・偉そう

 

でも、アニキに対面してみて、それらがぼくの勝手な勘違いであることがはっきりしてしまったのである。

 

確かにいかついし、大阪人だし、フレンドリーに話しかけてくれるし、上半身裸でいることも多い。金持ちであることは間違いないし、質問に対してズバッと答えるところは、偉そうに見えるかもしれない。

 

だが、その辺の何もかもがすっ飛ぶくらい、アニキは魅力的な人だったのだ。

 

アニキの何がそんなに好きになったのか、よくわからない(わからんのかい)けれど、今思うのは、とにかく優しいのである。しゃべりにくそうなやつは適度にイジり、食いついてくるやつにはきちんと返しつつ、場全体をちゃんと見る。しかも、個々人への配慮も欠かさない。

 

第一、あんなに連日連夜、日本だけではなく世界各地から訪問者を招いて、話を聞いて、アドバイスをしている。普通に考えれば、そんなことはする必要がない。全くないと言っても良い。なのにアニキは、夜中までビールを片手に、来訪者の質問に答えまくる。

 

予想でしかないが、ハイペースな時は一晩に2~3グループと会ってるんじゃなかろうか。なのにアニキはいつもニコニコしながら、「お前、それはな・・・」とアドバイスを送り続ける。

 

一般庶民の質問に答えたからと言って、彼の資産は大して増えない。それよりは、バリの土地を買おうという富裕層だけを相手にする方がよほど効率がいいはず、なのである。

 

ところが、アニキはそういうことをしない。金がある奴も、ない奴も、同じように扱う(あ、金持ってる奴のことは知らんけど)。ぼくのように金のないバカの質問にも、ちゃんと答えてくれる。

 

なんという器の大きさなのか。これはプロレスファンだけわかってくれればいいが、レヴェェェェルが違うんだよ!((C)外道from新日本プロレス)と、想ってしまったのである。

 

そして、「この人は、何のためにやってるんだろう?」とも思った。

 

今は、その答えが何となくわかる気がする。ここには書かないけど。

 

さて。毛嫌いしていたもう一人、ばななさんの話に移ろう。

 

ばななさんに関しては、お会いしたことはない。作品も、ほぼ読んだことがない。『キッチン』と、『白河夜船』は読んだ(気がする)という程度だ。

 

なぜ、ぼくがばななさんを毛嫌いしていたか。

 

理由は単純。売れていたからである。

 

ぼくは小説を読むのが好きだし、昔は小説家を目指していた。そして、思春期にありがちな自分の才能を過大評価する能力(=病気)を最大限に発揮していたため、当時のベストセラー作家を全員「仮想敵」として見ていた。

 

が、村上春樹村上龍などは、単にぼくが好きな小説を書いていたこともあって「オマエは認めたろ」的な謎の上から目線で見ていた。今にして思えば恥ずかしい。穴を掘って入りたい。

 

で。ばななさんに関して言うと、正直なところ、作品の魅力が全く理解できなかったのである。

 

恐らく、中学生男子の単純脳には理解できない世界観だったからだと思うのだが(未だに、ばななさんの小説には恐ろしくて手が出せていない)、「こんなつまらん小説で売れるなんて、世も末だ」と思っていたのだ。

 

いや、この場を借りてばななさんには全面的に謝罪したい。

こんなブログ、絶対読んでないだろうけど。

 

話は壮大に軌道修正して、『にぎやかだけど、たったひとりで』に戻ってくる。

 

この本が出たのは、ぼくがバリ島に行った後(しかも2度)のこと。つまりすっかりアニキストになっていたぼくの元に、この本が届いたのである。

 

おや?と。ばななさんとアニキ?と。何とも異質な組み合わせではないか。

 

いや、ばななさんファンなら、それくらいのことは知ってたのかもしれないが、ぼくは吉本ばななからは極力距離を置くという作戦を取っていたので、全く知らなかったのだ。

 

読んでみた。

 

面白い。しかも、ばななさんのスタンスがとても素敵なのである。

どういうスタンスかは、実際に本を手に取ってみてほしい。

 

そしてぼくは、ばななさんのいる方角(推定)に完全に頭を下げた。

心の中では土下座をした。

なんか、諸々すみませんでした、と。

 

自分の勝手な思い込みが、自分の視野を狭くすることがある。

自分が正しいと思っていることも、疑う必要がある。

この本からは、そんなことを学んだのである。

 

もちろん、アニキの金言はこの本でも健在どころか、さらに切れ味を増している。

読めばわかるが、アニキは決しておかしなことは言っていない。

むしろ「当たり前やん」と思うようなことを言っている。

 

でも、それが今の日本で出来てるか?と言われると、うーむ、となることばかりだったりする。

 

だから、ぼくはアニキが好きなんだろうな、とも思う。

 

またバリ行きたいな。

 

またビンタンビールをちびちび飲みながら

(ぼくはほとんど酒が飲めない)、

アニキの話に耳を傾けたいと思う。


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