都会か否か田舎か否か

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田舎暮らしがしたいなあ、と思った矢先に、「田舎とは何ぞや?」と思うくらいにはメンドクサイ思考回路を持っている私である。

 

【田舎 ‐ いなか】
1 都会から離れた地方。
2 田畑が多く、のどかな所。人家が少なく、静かでへんぴな所。
3 生まれ故郷。郷里。父母や祖父母のふるさとについてもいう。
4 (名詞に付き、接頭語的に用いて)素朴・粗暴・やぼなどの意を表す。
出典:『コトバンクデジタル大辞泉の解説

 

となると、「都会」とは何ぞや、という疑問が生まれる。

 

【都会 ‐ とかい】
1 人が多数住み、行政府があったり、商工業や文化が発達していたりする土地。都市。みやこ。
2 「都議会」の略。「都会議員」
出典:『コトバンクデジタル大辞泉の解説

 

都会の「2」の意味は今回初めて知った。

 

それはさておき・・・。

 

個人情報をばばーんとオープンにするわけではないが、私は現在東京都、しかも23区内に在住している。誰だ、お前のいる辺りは千葉との境目、徳俵ギリギリではないかというやつは。

 

その通りだけれども。

 

しかしまあ、そうは言っても大都会である。

 

もちろん、賢明なる諸兄のアタマの中ではクリスタルキング(略してクリキン)の、あの名曲が流れていることと思うが、そこは無視して先に進む。

 

ぼくは、別に田舎が素晴らしくて都会がダメだ、と言いたいわけではない。その逆も然りで、地方都市が無理をして(ではないのかもしれないけれど)都会になろうとすることも、別にしなきゃいいのにと思ってしまう。

 

矛盾だなと思う。

 

都会に住む人の中には、一定数「田舎暮らしがしたい」と思っている人がいる。しかし、経済や家庭の事情などで、どうしてもそうできない人もいる。

 

翻って、田舎から都会に出てくる人も一定数いる。私もその一人だ。北の大地を離れ、死にたいくらいに憧れた花の都大東京にやってきたわけだから、田舎→都会に移住してきた一人である。

 

ここで賢明な諸兄のアタマには長渕剛のあの名曲が流れているはずだが、そんなことはいちいち確認せずに先に進む。

 

最近考えるのは、「どっちが良いでも悪いでもないのだよな」ということだったりする。人が集まって経済が発展することには、それなりに価値があるだろうし、逆に、自然豊かな中で暮らしていくことも、人間にとっては豊かさや大きな価値があるはずだ。

 

今は本当に良い時代だと思う。

 

普段は都会に住んでいたとしても、週末は田舎で農作業や畑仕事をして過ごす、というライフスタイルを選ぶこともできるし、都会に住んでいたとしても、近くに畑を借りてみたり、プランターで野菜を育ててみたりといったこともできる。

 

逆に、田舎に住んでいたとしても、会社に行かずともテレワークで貨幣収入を得ることのハードルは下がりそうだし、ネットを経由して最先端の学びや情報を仕入れることは、そこまで難しくない時代に入ってきた。

 

つまり、「どちらかが良くて、どちらかはダメ」ということがないのだ、とぼくは言いたいのである。

 

もし、今の状況で日本全国が都会化してしまったら、おそらく食糧自給率は壊滅的な数字になるだろうし、その状態で海外との流通をストップせざるを得ない状態になったら、完全にアウチだろう。

 

逆に、日本全国が田舎化してしまっても、それはそれで困るだろう。個人的には、こちらの方が将来的には柔軟性は高そうだと思うけれど、それでもまあ、都会が果たす役割も確実にあるはずだ。

 

何かを「良い」とすると、何かを「悪い」としたくなってしまう。これは、ぼくの(あるいは人間の)悪いくせだ。でも、世の中そんなに簡単なものではない、とぼくは思っている。

 

忙中有閑。

 

ちょっと違う気もするけれど、そんな心持ちで常にいたいものだとぼくは思っている。

 

黒なら黒、白なら白、という世界は簡単だし、わかりやすいけれど、人間は(あるいはこの世界は)もう少し複雑にできている。

 

ぼくはそう思っているし、思いたいと思っている。

 

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