『アルケミスト~夢を旅した少年』がヤバ素晴らしすぎる件

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おばんです。ブログ、止めてません(笑)。

 

今回は、『アルケミスト~夢を旅した少年~』を読んで、すげーよ、この本、スゲーよ!!となったので、そのことを書きたい。それだけの記事です。

 

まず、『アルケミスト』の紹介。

 

 

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

 

 

というかこの本。実はこんな極東の隅っこで、島国でしか通用しない言語で書かれてるブログで紹介するまでもないほどの世界的大ベストセラー小説なのです。

 

あらすじは、スペインの羊飼いだったサンチャゴが、「前兆」に導かれてピラミッドにあるという「宝物」を探しに旅に出て・・・というお話。というか、日本語訳も出ているし、とても読みやすい本なので、ぜひ手に取っていただきたい。

 

なぜそんなに興奮しているのか

ぼくは別に世界的なベストセラーに特別興味はないし、パウロ・コエーリョのファンでもない。何しろ、同じくパウロ・コエーリョの作品である『ベロニカは死ぬことにした』を、僕は途中で読むのをやめた。

 

ちなみに、僕はまじめな性格なので(自分で言う)、基本読み始めた本は読み切る。どんなに面白くなかろうと、自分にとって得るものがなさそうだな、と思っても。だから、僕が「読むのを途中で止めた」本は、今までに2冊しかない(ちなみにもう一冊は『リアル鬼ごっこ』)。

 

だから、別にコエーリョ作品が特別大好き、というわけではない。ただまあ、『ベロニカは死ぬことにした』は、再チャレンジしてみようかなと思ってるけれど(『リアル鬼ごっこ』については、たぶん二度と手に取らない)。それはともかく。

 

アルケミスト』は、まずそもそもトーリーが面白い。いや、とてもシンプルな話だし、別に伏線が張り巡らされていて「アイツがこんなところでこんなことに!」みたいな話になるわけではない。それでも、ついつい読み進んでしまう。少年と一緒に、見知らぬ国を旅しているような感覚になる。それも面白い。

 

そしてサブタイトルにある「夢を旅した少年」の通り、元・羊飼いの少年は、様々な経験を経て、「宝物」を見つけに出かける。その道すがら、様々な人に会い、様々な経験をして、どんどん成長していくし、どんどん、「運命」に目覚めていく。

 

さあ、怪しくなってまいりました

 ちょっと、この辺で『アルケミスト』から味わい深いフレーズを引用していきたい。まずこれ。

 

人は、自分が夢見ていることをいつでも実行できることに、あの男は氣がついていないのだよ。

 

少年が自分の運命に従って、旅に出る前に聞く一言。そう、人は自分が夢見ていることを、いつでも実行できる。そのことに、僕らは氣付いていると言えるだろうか?

 

次にこちら。

 

結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ。

 

どうして、自分がやりたいと思ったことをしないのか?という少年の疑問に対する答えがこれ。うーーーーむ。深い。

 

トーリーが進むにつれ、深まる味わい

どうやって未来を推測するのか。それは、現在現れている前兆をもとに見るのだ。秘密は現在に、ここにある。もし、お前が現在に良く注意していれば、お前は現在をもっと良くすることができる。お前が現在を良くしさえすれば、将来起こってくることも良くなるのだ。未来のことなど忘れてしまいなさい。(中略)毎日の中に永遠があるのだ。

 

僕らはついつい、「この先はこうなるんじゃないか」、「こうなったら困るから、今こうしておかないとなど、未来を推測して、少しでも未来に対応しようとする。

 

でも、実は秘密は「現在」にある。今に集中すれば、僕らは「今」をもっとよくすることができる。そうすれば、将来起こることも変わっていく。過去に起きた出来事を悔やんだり、あるいは過去の栄光にすがって生きるのではなく、来るべき未来を夢見続け、あるいは、不安や恐れから未来を変えようとするのでもなく、今を見つめて、現在を良くするために生きる。そうすれば、自ずと未来は拓けていく。

 

毎日の中に永遠があるのだ、ですよ。

 

自分の身に起きることは、全て必要なこと

そして、ストーリー終盤。そこから何を読み解くかは個人個人によって違って当然と思うのだけれど、僕は「失敗を恐れるな」というメッセージを、強く受け取った。

傷つくことを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいもの(中略)夢を追求しているときは、心は決して傷つかない。それは追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ。

 

そう。夢や、目標に向かってチャレンジしている間は、心が傷つくことはない。夢に向かって突き進んでいるときは、その瞬間瞬間が大きな喜びであるからだ。

 

恐怖に負けてしまうと、お前は心に話しかけることができなくなってしまう。

 

でも、人間は恐怖を感じる。主には、失敗することへの恐怖。あるいは、その夢が叶わなかったときのことを考える恐怖。「失敗したらどうしよう?」というのは、心ではなく、アタマの声を聞いている状態。そうなると、自分の心が語る、本当に自分が望むこと、本当に「大いなる魂」に導かれる声を聞くことができなくなる。

 

引き寄せの法則」とか、「自分の心の声を聞く」、「自分の運命を追求する」ということに興味がある人は、まず『アルケミスト』から始めたら良いと思う。羊飼いの少年は、そのまま羊飼いを続けることもできた。また、旅の途中で何度も、(幸せだった)羊飼いに戻る選択肢を選ぶこともできた。でも、彼は自分の運命を追求する道を選んだ。

 

そして彼は、一見何度も「失敗」する。金品を奪われることもある。ひどい目に遭うこともある。しかし彼は、運命を追求することを止めない。また、彼の「宝物」は、思いもよらない場所にある(これは、ぜひ本を手に取って読んでほしい)。でも、そこに至るまでの経験は、決して無駄ではなかったと彼自身も感じるし、彼の物語を一緒に味わっている読者の我々も痛感する。

 

つまり、「起きていることは全て必要なこと」だし、「それぞれの人には、それぞれに必要な経験が渡される」ということなのだ。『アルケミスト』は、それをストーリーを通じて伝えている本なのだ。

 

もし、読んでいない方がいたら是非。読んだ方も、もう一度読むと、以前とは違ったフィーリングで読めるかもしれない。これは久々に、繰り返し読みたくなる一冊だった。