「とにかく笑えれば」(ぼくの出会った名言集)


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「とにかく笑えれば 最後に笑えれば 情けない帰り道 ハハハと笑えれば」(ウルフルズ『笑えれば』)

 

僕が敬愛する(敬愛する人がたくさんいるのだ)シンガーソングライターの佐野元春は「ポップソングの歌詞は現代におけるポエトリー(詩)である」てなことを言っていた。言い回しは違うかもしれないけど、こんなニュアンスのことをだ。

 

ぼく自身はさほど詩集をよく読むわけではない。でも、言葉が持つ力を発揮する表現方法として「詩」というスタイルが効果的なんだろうとは感じる。

 

昔の日本の人たちは和歌を詠んで自分の氣持ちを表現していたし、西洋でも詩を諳んじることが教養の一つだったことからも、それはうかがえる。

 

言葉の力を発揮する一つのスタイルとして、ポップソングもその一つに挙げられるだろう。ぼくらは、ポップソングの歌詞に勇気付けられたり、励まされたり、ときに泣かされたりする。

 

「歌詞なんて興味ない、聞いてない」という人もいるし、それはそれで音楽の楽しみ方としてあると思う。歌詞(というか歌)がないジャンルの音楽を好む人が多いのもわかる。

 

ぼくは、自分が言葉の力を信じているせいか、歌詞がとても氣になる。良い曲なんだけど、歌詞に違和感がある、となると、あまりのめりこめないタイプだ。

 

そんなぼくが、最近よく口ずさんでいるワンフレーズが、冒頭の一文だ。ウルフルズの『笑えれば』のサビであり、歌い出しの歌詞である。

 

■辛い、苦しい、情けない。そりゃあるよ、人間だもの

人間やってると(当ブログの読者は、ほぼ人間だと仮定している。たまに、ネコや地球外生命体が交じってる可能性はあるけれど)、そりゃまあ、色々ある。

 

自分の思った通りに、何事も完璧にうまくいくこともあれば、自分が思う通りにいかなかったり、失敗することもある。情けなくなったり、自分はダメだなあと思うことだってある。

 

そんなときに、ハハハと笑えたらどうだろう。

 

起きたこと、やってしまったこと、過去の出来事は何一つ変わらない。アツアツのラーメンを部長の頭にぶっかけてしまったことも、好きな子に告白して、びっくりするくらいあっさり振られてしまったことも、やらなきゃいけない仕事を忘れていて、各方面に大迷惑をかけてしまったことも、状況は何一つ変わらない。

 

だとしても。どんなに辛くて、苦しくて、情けない状況にいても、ハハハと笑えるだけで、少し氣持ちが軽くなるとぼくは思う。少なくとも、明日は頑張ろうという氣が湧く。

 

そして何より、笑っているときは落ち込めない。人は、笑いながら怒ったり、悲しんだりできない。竹中直人のネタに「笑いながら怒る人」ってのがあったけど(関係ない)。

 

■心技体、みたいな話

体と心は密接に関係している。「病は氣から」と言うけれど、心が病んでいるときは体調も崩しやすい。うつ状態の人は、景色がモノクロに見えたり、ご飯を食べても味がしなくなることもあるらしい。

 

もちろん、氣がふさいでいてもご飯3杯食べられる、というぼくみたいな人もいるけれど。

 

一方、体の状態が心に大きく影響することも、確実にある。だから、辛かったり、苦しかったり、情けなかったり、悲しかったり、寂しかったりするときに、アハハと笑える。そんな人でありたいなあと思う。

 

感情が追いついてこなくても、口角を上げてあげるだけでいい。心の中はボロボロで、ひょっとしたら涙も流しているかもしれないけれど、それでも笑顔でいると決める。そうすると、感情がそれに追いついてくる。つまり、体から心にアプローチしていく。

 

■新しい一歩を踏み出し続ける

なぜ怒りや悲しみが続いてしまうのか。

 
それは、ぼくらが脳内でその感情を反芻しているから、らしい。

 

あのとき、とても腹が立った。悲しかった。情けなかった。うん。その瞬間はそうだったんだろう。んじゃ、その感情を見続けて、その感情を育て続けたいか。それとも、その瞬間にその感情を味わい尽くしたら、ハハハと笑い飛ばして次に進みたいか。

 

辛い、苦しい、情けない、悲しい、寂しい。そう。そんな感情だってある。人間だからね。だからこそ、その感情を味わいつくしたら、ハハハと笑って次の一歩を踏み出す。ぼくはそんな軽やかさを身に着けたい。

 

アツアツのラーメンをぶっかけてしまった部長には、次の日にもう一度謝ればいい。「今度は冷麺を」と冗談の一つも飛ばせばいい。自分がどこかに飛ばされるかもしれないけれど。

 

振られた相手には、ぼくより素敵なパートナーを見つけるんだよと言えばいい。そして、次に自分が好きになれる誰かを探せばいい。

 

やらなきゃいけない仕事を忘れて人に迷惑をかけたなら、次の仕事でお役にたてばいい。

 

 

Life goes on

人生は続く。でも永遠じゃない。

 

だからこそ、新しい一歩を踏み出し続ける自分でいたいわけですよ。