書くことの作法、あるいは才能を伸ばすこと

ごくまれに「ブログ読んでます」と言っていただけることがある。これは大変うれしい。7割3分、自分のために書いているブログであるとは言えども、誰かのためになっている(それが例え、ちょっとした暇つぶしであったとしても)とすれば、嬉しいことだ。

 

そして、こちらもごくまれにではあるが「どうしたら、あんなに文章を書けるんですか」と聞いていただけることもある。それは、ひょっとしたら「よくもまあ、あんなに意味のない文章を量産できますね」というイヤミなのかもしれないが、そんなものをイヤミとして受け取るほど、私の神経は繊細に出来ていない。額面通り受け取ることにしている。

 

で。「なぜそんなに文章を書けるのか」については、これはもう、「まあ、才能っすかね、ガハハ」と答えることにしている。なぜならば、自分でも分析が出来ていないからである。

 

ただ、一つ確実に言えることは、文章を書くことがぼくの喜びの一つである、ということだ。

 

文章を書く、パソコンのキーボードをパカパカと叩くのは、ぼくにとって大変喜びに満ちた時間である。だから、文章を書きたい、文章を書くことで何かを表現したいと思う人は、その行為自体が好きかどうか、見極めた方が良いと思う。

 

もし、しゃべる方が好きならば、そっちを使った方が良いだろうし、踊ること、歌うこと、演じること、あるいはありとあらゆる仕事というか、作業、あるいは行為を通じて、自分を表現することはできる。文章にしなくても、伝わるものは伝わる。伝説のすし職人さんが、すしを握るだけで人を感動させられるように、言葉にすることだけが「表現」ではない。

 

それも踏まえたうえで、なお文章という表現形態を使って何かしたいとするならば、まずすべきことは「インプットすること」である。これはもう、間違いない。

 

これをぼくに教えてくれたのは、ぼくが中学生の時の担任であった。彼(そうか、若く見積もっても、今や先生も60~70歳になっているのか)は、ぼくに「良質なアウトプットするためには、良質なインプットが欠かせない」と教えてくれた。そして、原田宗典の『スメル男』という小説を紹介してくれた。おかげで、ぼくはしばらくエンターテインメント小説(というジャンルがあるかどうかは知らんが)の作家になりたいと思った。

 

ちなみに、「文章が書ける」ことと「小説が書ける」ことは必ずしもイコールではない、とぼくは思っている。ゼロからイチを産むことと、イチを膨らませることとは、必ずしもイコールではない。優れたインタビュアー、優れたライターが必ずしも優れた小説家にはなれない。逆もまた真なり、ではあるのだけれど。

 

話が壮大にそれた。

 

文章を書く、と思った時、そこには先に「インプット」という行為が付きまとう。これは、小説を書くにしろ、ブログを書くにしろ、同じことである。人は全くのゼロから新しいものを生み出すことはできない。厳密に言えば、できる可能性はあるけれど、極めて低い。

 

それは、どんな独創的な音楽も、絵画も、いかなる芸術も、過去の作品の影響から全く自由である、ということが難しいのに似ている。

 

小説を書くにしても、例えば自分以外の人物を描こうとした場合、その人の特徴や生態を描くための知識がどうしても必要だ。40代独身男性が、20代女性の日常を描こうとしたら、インプットすべき知識は膨大だ。

 

例え、自分のことを書くにしても、実は「自分のことを客観的に知る」というインプットが欠かせない。全くのファンタジーを書くにしても、ある程度のリアリティやディテールを描くためには、やっぱりインプットが必要になる。

 

インタビュー記事なんかはもっと明確である。相手のことをどれだけ知るか、相手から何を引き出すかが重要なのはもちろん、「読み手は誰か」、「読み手がこの記事に求めるものは何か」、「この記事を読んで、読み手にどんな感情を与えたいか」と言ったことを想定するというか、インプットしておく必要は絶対にある。それがない文章は、ただの自己満足にすぎない。

 

そう、このブログのように。

 

かましいわ。

 

つまり、文章を「書く」ということは、何かの情報を「読み解く」ということでもあるし、相手から自分が聞きたいこと、知りたいことを「引き出す」という作業と表裏一体なのである。相手が「あ、自分ってこんなこと考えてたんだ」と気付いてもらえるような文章が書けたとしたら、それはもう、素晴らしいライターだと言えるだろう。

 

そんな人に、私はなりたい。

 

というか、そのために自分を磨いている。

 

今日もまだまだ、まだまだと思いながら、である。

 

で、それが楽しいと思える人でないと、この道に進むことはおススメしない。ライターなんて売るほどいるし、楽しくなかったら絶対に続かないから、だ。

 

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