オンラインとオフラインの間に

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今までオフライン(と敢えて言おう)でやってきたことをオンラインに置き換えるだけなら、それは無意味だし、ぼくはそれを「進化」とは呼ばない。

 

ぼくはオンライン万歳論者ではないし、どちらかと言うとオフラインにこそ価値があると思っているけれど、「今までのオフラインでの勝ちパターンをオンラインでも」というやり方は、もうこの先はたぶん無理だと思う。

 

オンラインで何かをしようと考えた時、おそらく「オンラインでないとできないこと」あるいは「オンラインでないと実現が極めて難しいこと」といった価値がないと、そこに意味がないんじゃないかなと思う。

 

例えば、東京に住んでいる私と、(仮に)四国に住んでいるあなたが週に一度、会議を開催しようとする。この場合、毎回飛行機で移動するというのは、かなりコスト的に厳しい(できなくはないけど)。でも、オンラインなら割と簡単に実現できる。

 

でも、この先はきっともっと、「オンラインならでは」の付加価値が求められる時代になってくる気がしている。じゃあ何?と聞かれても、パッと出てこないのだけれど。

 

ということは、裏を返すと相対的にオフラインの価値が高まっていく、ということでもある。オンラインで色々なことができるようになった結果、「オフラインでしか実現できないもの・こと」はどう考えても残り続けるからだ。

 

どんなにオンラインで沖縄のきれいな景色を見ても、残念ながら現場でその景色を見た感動には及ばない。どれほどプロが懇切丁寧に教えてくれる料理動画を見て、自分でかなり上手に作れても、そのプロが作った本気の料理よりもおいしく作れるかと言えば、どうだろう。自分好みの味付けにできる可能性はあるかもしれないけれど。

 

だからといって、ぼくは何でもかんでも「オンラインよりオフラインの方が優れてる!」と言いたいわけでもない。オフラインの価値は、変わらないか、相対的に上がると言いたいだけだ。

 

ふと思ったのは、いわゆる「道」と呼ばれるものは、総じて「オンラインとオフラインの融合」が進むだろうと思う。ぼくは茶道や華道、武道にはあまり造詣が深くないけれど、ああいったものはおそらく「やり方」ではなくて「どう生きるか」、「そこにどう存在するか」を伝えているものだと思う。

 

華道にしろ、茶道にしろ、武道にしろ、「きれいに花が活けられれば良い」ではないし、「茶が煎れられれば良い」でもないし、「相手を効率よく倒せれば良い」でも決してない。そこから何を学び、何を得て、何を感じるか。そちらにこそ、大きな意味がある。ぼくはそう捉えている。

 

とするならば、どう考えてもオンラインとは相性が悪い。オンラインでは、その「空気感」とか「感覚」を感じ取ることが極めて難しいからだ。

 

でも、オンライン化することで、おそらく間口は広がる。まずは、やり方やノウハウを知りたくて入ってくる人が増える。でも、実はそこからが「道」の奥深さだ。勘のいい人はおそらく「これは、何か違う」とオンラインでも気付くのではないかと思う。そして、オフラインへ進んでいく。なぜか。オフラインでしか伝えられないもの、わからないものが、そこには絶対にあるからである。

 

こういうことを書くと、ひょっとしたら落合陽一や中田敦彦西野亮廣や、知らんけど、そのあたりの次世代言論人たちから「そういう発想は古い、時代遅れだ」と揶揄されるかもしれない(もちろん、直接ご意見が飛んでくるわけがないことは百も承知である)。

 

でも、ぼくはこの姿勢を崩さない。何でもかんでもオンラインで全て完結できると思ったら、大間違いだとぼくは確信している。なぜならば、ぼくらは肉体を持ち、五感という感覚器を持ち合わせているからだ。

 

ぼくらはオフラインにおいて、目や耳だけから情報を収集するわけではない。その場の匂い、場合によっては味、そして何より空気感というか、場の雰囲気を無意識のうちに察知している。これは、おそらくオンラインでは感じきれない領域だと思う。

 

「道」の「やり方」、つまりは「花の活け方」や「茶の点て方」、「竹刀の振り方」や「大外刈りのかけ方」、「正拳突きのやり方」などは、オンラインで教えられるかもしれない。でも、そこだけに頼ってしまうと、おそらくとても大切な「何か」が抜け落ちる気がする。

 

これは教える側もそうだし、教わる側も気を付けた方が良い気がする。「やり方」だけを学んで、出来るようになった気がするのが、一番危ない気がする。

 

今日の記事はなんだかオモシロ要素少なめだし、何を言いたいのか自分でも整理しきれていないのだけれど、「オンライン」で「やり方」だけ教わったところで、本質は伝わってないかもよ、ということだけは声を大にして言いたい。

 

もちろん、オンラインでも本質は伝えることは可能かもしれない。でも、その場合にはよほど伝える側が神経を使う必要があると思う。

 

ついでに、オンラインとオフラインとは伝わるもの、量が全然違う、桁違いだということだけは、覚えておきたい。

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