基準を作ると基準にとらわれる話
とんでもない戒厳令というか、そういう類のヤーツが発令されていることをご存じだろうか。
あ、「緊急事態宣言」のことではない。あれも発令されているけれど、あちら側のお話ではない。
うん、アメリカや海外のお話でもない。トランプ大統領がディープナントカとカントカしているとか、アンドレ・カンドレとかカンドレ・マンドレとか筋トレこそ最高のソリューションであるとか、そういう類の話でもない。
あ、アンドレ・カンドレは井上陽水の昔の芸名である。どうでもいいけれど。
ぼくが言ってるのは「菓子パン禁止令」の話である。
え?普通にパン屋に行ったらあんパンもクリームパンも、チョココロネも売ってるし、コンビニにもメロンパンとか置いてありますけど、と思った方。その通りである。
この菓子パン禁止令、私政府の私当局から発令されているものなのである。
なんじゃそら、と離脱されるのは待っていただきたい。待っていただきたいのはいただきたいのだが、この先何か有益な話があるかと言えば、ない。
どういうことかと言うと、私の私による私のための「菓子パン禁止令」が発令されているのである。よって、私は今、菓子パンを食べられないということになる。
だから何だよ、と思うだろう。そのリアクションが間違いなく健全だ。しかし、これは私にとってはとんでもないインパクトである。三度の飯より飯が好きで、甘いものが好きな私にとって、菓子パンを封じられるということは、飛車角落ちの将棋を指しているようなものである。
ただ、落ち着いて考えていただきたい(お前が真っ先に落ち着け、というご意見はありがたく頂戴する)。菓子パンは、どこからどこまでが「菓子パン」なのであろうか。
あんパン、クリームパン、チョコパン等、パンの中に甘いあん、もしくはクリームが包含されているものは、これは間違いなく「菓子パン」であろう。次に、パンに砂糖、はちみつ、黒みつ等の甘いものがかけられているもの、これも「菓子パン」に該当しそうである。
では、「ドーナッツ」は。ドーナッツは「菓子パン」なのか、それとも「お菓子」か?という問題が発生する。そもそも、「菓子パン禁止令」に「菓子」は含まれるのか?という重大なテーマがある。この類で言うと「クレープ」や「ホットケーキ」、「パンケーキ」等の小麦粉で生成された甘い生地の食品は、総じてグレーゾーンになっていく。
この疑問に対して、当局は一切口をつぐんだままである。どうなっているのか。責任者出てこい。
こんなもんを読まされている皆さんの方こそ「責任者出てこい」と思っている可能性はあるが、そのことについては華麗にスルーして話を進める。
ぼくが言いたいのは、「基準」なんてものはそのくらい曖昧だし、それを厳密に定義しようとすると、かなり難しくなってくるということなのだ。
話は変わるようで変わらないのだけれど、ぼくは「フィギュアスケート」がいまいち好きになれない。なんでかと言うと、基準が不明確な上に複雑だからである。「この選手より、この選手の方が良い!好き!」と思っても、審査員の評価は全然違ったりする。
『M-1グランプリ』や『R-1グランプリ』といった賞レースも、近いものがあるかもしれない。個人的に去年の『M-1グランプリ』のチャンピオンは「おいでやすこが」だったんじゃないかと思うけれど、結果は違った。むろん、おいでやすこがについて言えば「優勝しないことこそ優勝」という考え方もあるし、最終決戦に残った三組で言えば、どのコンビが優勝してもおかしくはなかったとも思うけれど。
つまり、それほど「基準」というのは曖昧だし、定義しにくい。基準に縛られ始めると、しんどくなる。それよりは、自分の感覚、感性を磨いて、その場その場で対応していく方が良いんじゃないか、とぼくは思っている。
・・・というわけで、ぼくは今日ドーナッツを2個食ってしまった。もちろん、菓子パン禁止令は継続中である。
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