維摩経から学ぶ、相手に何か言いたい時に意識したいこと

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維摩経』という、けっこう有名なお経があることを最近知った。

 

あらすじは(お経で「あらすじ」というのも変な話なのだけれど)、あるところに「維摩」という、在家なんだけれども、仏法に明るい人が住んでいた。その方が、急に病に臥せったという。

 

そこで釈迦は、自分の弟子たちに「ちょっと、見舞い行ってくんねえ?」(キムタク風に)と依頼するものの、ことごとく拒否られる。すったもんだの挙句、文殊菩薩さんがお見舞いに行くことになり、維摩と対話をすることで・・・というのが大まかなあらすじである。

 

もう一度言うが、これがお経である。

 

この維摩経からは色々学ぶことというか、気付かされることが多々あったのだけれど、今回は「なぜ維摩のところに釈迦のお弟子さんが行きたがらなかったのか」から、コミュニケーションについて考えてみたいと思う。

 

全然関係ないけれど、ぼくは結構「シャカ」という言葉の響きが好きで、聖闘士星矢で言えば乙女座(バルゴ)のシャカが好きだし、お笑いコンビの「シャカ」も好きだった。この伝で言うと「シャカシャカポテト」なんて大好物そうだけれど、そこは意外とそうでもない。

 

名古屋には「ステーキハウス シャカ」という、ぼくと同い年の店があるらしく、シャカマニアとしてはぜひ一度お邪魔してみたいと思っているところである。

 

話が壮大にズレた。時を戻そう。

 

さっきも書いたが、維摩という人は在家の方である。つまり、僧侶でも、修行者でもない。なのに、仏法に大層詳しい。まあ、これには秘密があるのだけれど、そこは今回の記事の本筋とは関係ないので省く。

 

で、なぜ、釈迦の弟子(しかも「十大弟子」と呼ばれるようなスゲーお弟子さんたち)は、維摩のお見舞いに行きたがらなかったのか。

 

それは、維摩に凹まされた経験があったから、である。こう聞くと「なんじゃそりゃ」と思うかもしれない。でも聞いてほしい。

 

まず、釈迦が見舞いの任を任せようとしたのは「智慧第一」で知られる舎利弗。般若心経では「舎利子」と呼びかけられてる人ですね。

 

以前、この方が静かな森で座禅をしていると、維摩さんやってきまして、こう言われたんだそうです。

 

(意訳)

舎利弗はん、そんな静かなところで、じっと座って悟るのなんて、誰にでもできまっしゃろ。そうでのうて、悟りを得たまま実社会で活躍するんが、ホンマの悟りちゃいまっか」

 

これを聞いて、舎利弗さん、ぐうの音も出ず。そんな経験が合ったので、「私では、維摩さんの見舞いの任は果たせない」というのだそうです。

 

こんな感じのやりとりが、十大弟子一人ひとりと繰り広げられ、全員維摩さんに論破されてしまう、という愉快な展開が待っているのです。

 

さて。ぼくは維摩十大弟子のやりとりからコミュニケーションについて考えたい、と書きました(覚えてる?)

 

このやりとりの、どこから何を学ぼうというのか。それは、「相手に何をどう伝えるか」ということ。

 

維摩さんと舎利弗さんは、お互いに仏門に入るという(維摩さんは在家ですが)共通認識というか、前提があります。お互いに悟りを目指しているし、衆生(=迷いのある生き物のこと。主に人間のこと)を救おうという目的で一致しています。

 

だからこそ、維摩さんの指摘に舎利弗さんはハッとし、気付いたわけです。これが、この前提を共有できていない状態だったとしたら。舎利弗さんは「アイツ何言うとんの?」となるし、維摩さんは「アイツ、言うてもわからんやっちゃわ」となっていたかもしれない。

 

もう一つ。維摩さんは「何が正しい」とか「自分はこう思う」という観点から舎利弗さんにボールを投げているのではなく、「仏法から言えば、こういうもんちゃいまっか」と尋ねている。

 

ぼくらは自分の意見を言う時、つい自分の感情が先に出てしまったりする。それはそれで悪くはないし、そういう感情がほとばしることも必要だけれど、特に相手の「非」を伝える時には特に「法」というか、「筋」というか、そういうものと照らしてみると、どう?という表現をしてあげるのがいいんじゃないか、と思う。

 

そうでないと、ぼくの好みを相手に押し付けることになりかねないし、そうでなかったとしても、相手にそう受け取られてしまうと、せっかくの良い提案、良いフィードバックも台無しになる。

 

まず、お互いの認識を統一しておくこと。前提を共有しておくこと。それから、相手に何か言いたい時は、その前提に立ったならば、こうじゃないか?という言い方をすること。それだけで、コミュニケーションの質はきっと上がるんだろうな、と思ったのです。

 

つい、自分の好き/嫌いや、自分の想う正しい/間違ってるを人に押し付けて、険悪なムードになるぼくとしては、本当に気を付けたいと思った次第。

 

ま、日常生活だとなかなか難しいこともあるのだけれど、自戒を込めて。

 

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