想いを言葉にして、後世に遺す


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「遺す」。

 

なぜ、ぼくは文章を書くのか。あるいは、文章で何をしたいのか。

 

文章を書くことを仕事にしようと最初に思ったのは、小学生か、中学生のころだった。

 

その当時は、「自分は小説家になるものだ」と勝手に思い込んで、妙ちきりんな小説を書いては悦に入っていた。が、書いてるうちに「こりゃ本当に面白いのか?」がわからなくなって、いつしか「小説家になる」ことはあきらめた。

 

少なくとも、今のところは。

 

小説家になるものだと思っていた大学生のぼくは、何か文章を書く仕事に就こうと思って、出版社やマスコミを受けまくった。が、就職氷河期だった当時、ぼくのような凡庸な大学四年生を採用しようなんていう奇特な大手マスコミは当然なく。ぼくは小さな編集プロダクションで社内報の編集に携わることになった。

 

面白いもので、ぼくはここで、市井の人々の話を聞く面白さを知った。世の中を動かしているのは、偉い経営者や政治家だけではない。実は、会社で日々働いている人たちだって、立派に社会を動かし、支えている。そして、多くの人は、何かしらの志や想いを持って、日々の仕事をしている。

 

ぼくは、社内報の外注を請け負うライターという立場で、実に様々な人々にインタビューする機会に恵まれた。

 

大きな会社の社長さんや、取締役から、プラントで働くエンジニア、凄腕のMR、化学品の研究職や、某牛丼屋さん・某ハンバーガー屋さんのアルバイトさんまで。

 

本当に様々な人たちの「働く姿」を見て、その人々の想いを聞いてきた。

 

そして、出版社に移ったり、実際に会社で広報の仕事をしたりして、また社長のゴーストライターをしたり、社員のインタビューをする機会を得た。

 

最近、色々な方と話をさせていただく中で、ぼくがやりたいのは「想いを言葉にして、後世に遺す」ことだと、何となく見えてきた。正直、自分では「遺すこと」になんて興味がないと思っていただけに、ビックリもしたけれど、今はしっくり来ている。

 

例えば、中小企業の社長さん。例えば、一代で事業を成した名経営者。あるいは、目立たないにしても、想いを持って仕事を続けてきた市井の人々。

 

ぼくは、そういう様々な人々の想いを文章にして遺したいのだなと、最近感じている。

 

「遺」とは、貴重なもの、貴いものを次へ送る、といった意味の漢字らしい。だからこそ、ぼくは「残」ではなく「遺」を使いたい。

 

ぼく自身のことで言えば、ぼくは自分の祖父がどんな人かを知らない。父方の祖母は会ったことがあるけれど、祖父は僕が物心ついた頃には既に他界していた(確か、父がまだ学生の頃になくなったように聞いた記憶がある。あやふやだけど)。

 

祖父が炭鉱で働いていたらしい、ということまでは聞いたことがある。でも、彼がどんな想いで、どんなことを考えて仕事に取り組んでいたのかは、知る由もない。もし、祖父の想いが何かの形で遺っていたならば。

 

あいにく、ぼくには子どもが(今のところ)いない。この先どうなるかはわからないが、もし、自分に子どもが生まれた時、彼または彼女の祖父母(ぼくの父や母)、あるいは曾祖父母がどんな人だったのか、知れたらどうだろうか。

 

もちろん、今や動画でも何でも、遺す方法はいくらでもある。ただ、ぼくは文章の力を信じている。文章だからこそ、伝わる想いがあるんじゃないかと思っている。

 

だからぼくは、「想いを言葉にして、後世に遺す」ことをしていく、と決めた。

 

どういう形でか、はわからない。どういうやり方で、かもまだ見えていない。でも、決めた。

 

もしかしたら、まずは自分のことから、かもしれない。

 

父や母や、あるいは祖父母のことを、誰かに聞いてまとめるかもしれない。

 

それは、どこかに発表するようなものにはならないかもしれない。でも、自分自身のためには確実になるだろう。ひょっとしたら、この先生まれてくる(かもしれない)ぼくの子どもたちがそれを読んで、自分たちの曾祖父母や祖父母の存在を身近に感じられたら。

 

そして、自分たちが唐突にこの世に生み出されたのではなく、連綿と受け継がれてきたご先祖様からのリレーを受けて今ここにいるのだと気付き、その貴さを実感できたなら。きっと、嬉しいだろうと思う。

 

そんなことを、たくさんの人に提供していきたいとも思う。ただ、今はまだノウハウも無ければ、やり方もわからない。でも、そんなことを考えている。

 

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