ハブ


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自分自身の立ち位置というか、スタンスというか、在り方というか、存在意義というか、そういったものをずっと探し続けていたような氣がする。

 

自分で言うのもなんだけれど、ぼくは決して派手なタイプではないし、表に立ってみんなを引っ張るリーダー気質もない(たぶん)。

 

かと言って、数字にめちゃくちゃ強いわけでもない(どちらかと言えば弱い)し、リーダーを支える名参謀という感じでもない。

 

どちらかと言えば脇役、裏方タイプではあるけれど、緻密さだったり、段取りだったりが得意なわけでもない。さらに言えば、ぼくにはピアノがないし、君に聞かせる腕もない。

 

どうにもこうにも、自分的には帯に短し襷に長し、小野ヤスシさだまさしだったわけである。

 

で。最近ちょっと、自分の使い方について氣付き始めている。ぼくはまず、文章を書くことが苦にならない。

 

面と向かっては冗談の一つも言えない生真面目なぼくだけれども、文章であればいくらでもしょーもないことを書き連ねられる。

 

だから、文章を書くことで何か世の中の役に立てるんじゃないかと思っている。

 

もう一つは「ハブになりたい」ということかもしれない、と思い始めた。

 

と言っても、別にフィギュアスケートで金メダルを取って全国の女子をワーキャー言わせたいわけではないし(言わせたいけども)、将棋の永世名人とかになりたいわけでもない。沖縄などに生息する、毒を持ったヘビになりたいわけでもない。

 

ほら、「香港はハブ空港だ」みたいな言い方するじゃないですか。中継点としての「ハブ」。何かと何かをつなぐ、ハブ(hub)みたいな存在で在りたいと思い始めたのだ。

 

多くの人は、乗り換えの空港なんて別にどこだって良いと思うだろう(多少、乗り換えやすいとかはあったとしても)。

 

でも、そこを経由するからこそ旅人たちは自分の目的地へ到着できるわけで、なければ困る存在ではある。

 

文章を書くことで、何かと何かをつなぐ。ぼくはそれをしたい人なのだろう、と最近思っている。

 

何か、は何でもいい。人と人かもしれないし、人とモノかもしれない。人と情報かもしれないし、人と地球外生命体かもしれない。

 

直接繋がれればそれで良いけれど、上手く繋がらなかったり、単純に存在を知らなかったり。繋がりたいのに繋がれない、なんてこともあるかもしれない。

 

例えば、仕事を探している人と、働き手を探している人。情報を持っている人と、その情報を探している人。部下のことがわからない上司と、上司のことがわからない部下。お互い、隣の部署が何をしてるかわからない職場。

 

ハブが機能できそうなことは、たくさんある。

 

そのことで、世の中がもっと良くなったり、いらんもめごとが減ったり、みんなのやる氣が上がったり、より生産性が向上したり、求めていた情報にアクセスできたりしたら、ハッピーじゃないか、と思ったのだ。

 

余談だけれど、こんな話も最後に書いておきたい。

 

ハブ(hub)
1)車輪の中心部。また、自動車の車輪を取り付ける部分の円板や、航空機用エンジンのプロペラを取り付ける金具。
2)中心。中核。
3)コンピューターシステムで、複数の端末を集めて連結する中継器。LANなどを組むのに使われ、減衰した電気信号を復元する機能などをもつ。集線装置。
(出典:『コトバンクデジタル大辞泉』)

 

2)の意味に注目してほしい。中心。中核。

 

で、ぼくの本名には「央」の字が使われている。

 

おう【央】
[音]オウ(アウ)(呉) [訓]なかば
なかほど。まんなか。「震央・中央」
(出典:『コトバンクデジタル大辞泉』)

 

「央」の意味するところは、「まんなか」なのである。

 

要は「中央」の「央」だ。

 

「氏名は使命」てなことを言う方もいるけれど、別にぼくはそういう知識があるわけでもないし、まあ、たまたまじゃないかと思わなくもない(笑)。ただ、運命的なものを感じるのも事実ではある。

 

ぼくはずっと、人の輪の中心、中央にいる人間だと自分を定義したことはない。今でも、社交的な輪の中でシャンパンを片手にウフフ、なんてことをするタイプではないことは百も承知である。

 

だからこそ、自分の名前の中に「央」の字があることに違和感があったのも事実だったりする。

 

でも、「ハブ」と捉えると、何となくしっくりくる。ぼく自身が中央・中心だからと言って、目立たなくても良いし、注目を集めなくても良い。

 

ただ、求めあっている者同士を繋げて、さらに良くしていく。あるいは、旅人が目的地へたどり着くためのお手伝いをする。そんな役割をしていきたい、と今は思っている。