『にぎやかだけど、たったひとりで』

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バリ島に、日本人の大富豪がいる。

 

丸尾孝俊さん。

「兄貴」とか「丸さん」と呼ばれている。

 

何度か、このブログでも丸さんのことは書いたし、関連書籍もたくさん出ている。

 

『神様はバリにいる』という、堤真一さん主演の映画のモデルというか、あの映画はほぼ丸さんの話である。

 

『にぎやかだけど、たったひとりで』は、そんな丸さんのところに7年間通ったという作家、吉本ばななの著作、というか、複数人で話を聞いたものを、代表してばななさん名義で出版したんだそうな。

 

兄貴関連の本、略して「兄本」(いや、そんな言葉あるか知らんけど)はたくさんあるけれど、今回の本は特に「人としての丸さん」にフォーカスが当たっているように感じる。

 

ちなみに『大富豪アニキの教え』と『出稼げば大富豪』は、両方とても面白いので、『にぎやかだけど、たったひとりで』と合わせて読んでみることをおすすめする。

 

  

 

また、他の書籍と大きく違うのは(これはばななさん本人も書いているけれど)女性が書いた、あるいは、女性目線が多く入っている、という点じゃないかと思う。

 

さてさて。いつにも増して前置きが長い・・・。本題に入ろう。

 

読んだ感想としては、「いつもの兄貴節だなあ」と思う。兄貴の言うことは、基本あまり変わらない。

 

「人を大切にしよう」

「恩を忘れないことが大切」

「相手を尊重して、ご機嫌にする」

 

一見すると、当たり前のことばっかりだ。

そして、古めかしい道徳の教科書や、お説教じみた話のようにも見えかねない。

 

ところがどっこい。丸さんがすごいのは、世界情勢や世の中の動きをきちんと冷静に見通した上で、こういう発言している、とぼくは感じている。

 

例えば、本書にはこんな内容があった。

 

日本も含め、今後さらにグローバル化が進むだろう。子どもたちも国際社会の中で生きていかざるを得なくなる。

 

さて、その時大切なことは?

 

英語? 知識? ビジネススキル?

 

丸さんは「お年寄りを敬うことを身につけておくこと」だと言う。「やっぱり、日本人のモラル、道徳って素晴らしいね」と言われたら、日本を好きになって、応援してくれる人が海外に増えるだろう?と言う。

 

成功者の本、と言うと、いかに成功したか!とか、成功するための20の法則!みたいなのが多い。けれど、丸さんの言うことはある意味「普通」過ぎて、目新しさはない。これさえやれば大富豪!みたいなノウハウ、ハウツー的なことも言わない。

 

ただ、人として大切なこと、言い換えれば、丸さん自身が大切にしたいと思っていることが書いてある。

 

丸さんとしては、これを大切にしたから大富豪になった、成功したと思っている(はず)だから、ある意味それが「成功哲学」であり「成功の法則」なんだろう。

 

裏を返せば、そういう「当たり前」、「普通のこと」を、ぼくらはどれくらい大切にしているだろう?

 

あああ。

 

ぼくは丸さん(「兄貴」になったり、「丸さん」になったりするのは、ご容赦願いたい) に三度会っていて、その人柄や温かさのファンになっているために、どうにもこうにも書きたいことが多くなってしまう。

 

そういう僕が読んでいるから、という贔屓目を込みにしても、この本は本当にとてもよい。丁寧に書かれているし、まるで丸さんがそこで実際に関西弁ボーボーでしゃべっているかのような雰囲気も味わえる。

 

その上で、ばななさんの視点が入ると、さらに面白みがグッと増す。

 

「本当に大切なものって何だろう」

「人が生きていくとは、どういうことなんだろう」

「で、今のぼくらにできることは、何?」

 

読み終わった後、ぼくはそんなことを考えた。

 

あなたは、何を思うだろう。

 

 

 ↑ ↑読書会でもやってみようかしらん。

 

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