やってみたらわかる、の人

 
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「引き継ぎ資料」というものを作るのが、ぼくはとても苦手であることに最近氣付いた。


引き継ぎ資料とは何か。会社やなんかで、その人がやっている仕事を別の人が担当する際に、仕事の流れややり方を説明するための文書である。言ってみりゃ、仕事のマニュアルみたいなもんだ。


それさえ見れば、例えぼくが居なくても、ぼくが担当していた業務をほかの人がスムーズにこなせる、というのが、この「引き継ぎ資料」が目指すゴールだ。


で、ぼくはこの資料を作るのが、果てしなく苦手である。

 

○「やってみたらわかるんじゃね」理論

理由はいくつか思い当たる。


まず、ぼくはそもそも人に何かを説明することに苦手意識を持っていること。


人に何かを説明してやってもらうくらいなら、自分でやってしまった方が早いし楽だと思ってしまうクセがある。だから、人に手順を説明するのがまだるっこしくなってしまう。


次に、極端な性格であること。説明資料を作ろうとすると、果てしなく適当になってしまう。なぜなら、自分がそれで理解できるから。


で、ほかの人から「これじゃわかんないよ」と言われると、今度は極端にていねい過ぎる資料を作ったりする。それで、自分が嫌になる。諸々面倒くさくなるのである。


さらに、たぶんこれはぼくの特徴というか、特性なのだけれど、説明書と呼ばれる類のものをほとんど読まない人なのだ。


例えば若かりし頃、ファミコンソフトを買ってきたら、すぐに開けてすぐにカセットを本体に差し込んでスタートボタンを押すような子どもであった。

 

説明書を読むのなんてのは、ゲームをしてはいけないと親から言われてる間の暇つぶしくらいに考えていた。説明書を読まなくても、ある程度の操作は「何となく」で把握するタイプ。


これは家電製品にしても、パソコンにしても、スマホにしても比較的そう。だから、iPhoneに取扱説明書が付いていないのも「さもありなん」と思ってしまう。使えばわかるでしょ、と思ってしまう。


自慢のように聞こえるかもしれないが、これが実は問題で。通常操作はわかっても、ちょっと複雑なことをやろうとすると途端に途方に暮れたりする。


そういう人だから、引き継ぎ資料の存在理由がよくわからんことがたまにある。

 

いや、乱暴なのはよくわかる。ぼくが担当していた仕事を、ぼくが居なくなった後に次の人が円滑に、かつスムーズに担当できるようにするために、資料とか説明とかが必要なのもわかる。でも、心のどこかで「やったらわかるんじゃね?」と思っている節がある。


○やってみたからわかる世界がある

これはもう、その人が持って生まれた特徴のようなものだろう。石橋を叩いて叩いて、腱鞘炎になったから渡らないという人もいれば、縄が切れかかっている吊り橋を平気な顔で渡る人もいる。


ぼくのように、何をやるにもマニュアルというものをほとんど読まない人もいれば、何かを始める前にはマニュアルを絶対に読みこむ、という人もいる。


ぼくのような極端な性格もどうかと思うけれど、事実、世の中には「やってみないとわからない」ことはたくさんあるんじゃないか、と思っている。


例えば起業。これは成功するかどうかなんて誰にもわからない。まあ、成功をどう定義するかにもよるけれど。

 

もし、起業して、ある程度ビジネスを成長させることを「成功」と呼ぶとすれば、事前のマーケティングや準備はできたとしても、「絶対うまく行く」という保証はあり得ないだろう。


何しろ、いままでになかったことを始めるわけだから。


同じように、独立もそうだ。同じようなビジネスで、飯を食えている人もいれば食えない人もいる。自分がどうなるかは、正直わからない。これこそ、やってみないとわからない。


いくら説明書を読んでも、マニュアルを読んでも、先人が書いてくれた引き継ぎ資料を読んでも、自分でやってみないことにはわからないことがたくさんあるのだ。

 

クリボーにブチ当たるのも経験

 もちろん、失敗しないように・・・と慎重に動くことも素晴らしいことだ。でもぼくは失敗しても良いじゃない、と思う。

 

スーパーマリオのように、Bボタンを押したまま移動したらスゲー速い!と思ったらクリボーに当たって死んだ!みたいなこともあっていい。というか、そこからこそ学べる。


Bダッシュとはどのくらいのスピードで、どのくらい効果が続く(手を放したらすぐ戻るのか否か)のか、Bダッシュのままジャンプはできるのか、とかとか、試してみないとわからないこと、試した方が実感的に身に付くことがたくさんある。


ゆえに、失敗は決して忌むべきものではないとぼくは思っている。かのエジソンも、こんなことを言ったらしい。


「失敗ではない。1万通りのうまく行かない方法を発見したのだ」


さすがトーマス。良いこと言うぜ。ま、それだけチャレンジしてきたからこそ言える一言だけれども。でも、ホントにそう思う。

 

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