「一旦受け止めてみる」の修行



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「一旦受け止めてみる」訓練というか、修行をし始めている。

 

自分にとって耳の痛いこと、言われて腹が立つこと、嫌だなと感じること。従来のぼくはこういう言葉を「あなたはそう思うんですね」と、これまで自分から切り離してきた。誰かがぼくに向けて放った言葉を、跳ね返していたわけだ。

 

特に、自覚のあるなしに関わらず、自分にとって受け止めるのがしんどいメッセージは「いや、それはあなたの考え方で、ぼくは違うと思う」と、突っぱねてきた。うん。突っぱね切れたかどうかは別として。

 

でもここ最近、今年に入ってからくらいだろうか。「ちょっと素直に耳を傾けてみようか」というモードに入ってきた。

 

○言われて腹が立つことを受け止める。

きっかけは、ぼくが大切にしている人たちが、ぼくにとっては到底受け入れにくいことを言ってくれたからだ。

 

一例を挙げると、ぼくは自分のことを「優しくて、配慮ができる人」と思ってきたのだが、真逆のことを言われたり、「とても謙虚な人」と思っていたのに「驕りがある」などと言われることが立て続けに起きた。実は、ここに挙げた以外にも枚挙に暇がないほど起きていたりする。

 

もちろん、過去のぼくのように「いや、それはあなたの見方だし」とか「ぼくはそうは思わない」とか「ぼくのやり方に口出ししないでほしい」とかとか、そのメッセージを無視というか、受け止めないこともできた。

 

ただ、そのことを言ってくれた人たちが、ぼくにとっては到底無視できる人たちではなかったのだ。

 

だから、ぼくは自分にとって耳の痛いこと、言われて腹が立つことを「一旦受け止める」ことをしようと思い始めた。「受け止める」というのがポイントで、これはぼくの親友が教えてくれたのだけれど、「受け入れよう」とするとしんどくなる。でも、「受け止めよう」とすると、それを自分の中に入れるか、入れないかの判断が付けられる。

 

○「めちゃんこ怖い」の世界に飛び込む

自分で言うのも何だけれど、ぼくは割と「そつのない方」だと思う。

 

人間関係にしろ、仕事にしろ、ものすごく出来る方でも、ものすごく出来ない方でもなく、60~80点をコンスタントに取る人だった。故に、目立つこともないし、大チョンボをすることも少ない。

 

だから、人からものすごく嫌われたり、ものすごく厳しいことを言われることが極めて少ないので、自分にとって耳の痛い話に対する免疫はとても低い。

 

そう。だからこそ、なのだ。ぼくが次のステップ、次のフェーズに行くためには、過去の延長線上にないものを取りに行く必要がある。それを、ぼくは「言われて腹が立つことを受け止める」に定めた。

 

もちろん、誰から言われたことも100%受け止めよう、ということではない。通りすがりのおっさんに言われた「アホー」という言葉を、真剣に受け止めるつもりはない。そのおっさんに返す言葉は「おまえもな!」だ。

 

話がそれた。まさに「何を言うか」よりも「誰が言うか」が重要だと思っている。そのために、厳しいことを言ってくれそうな人の門戸を叩き、敢えて自分が氣付いていない自分の弱点、甘さ、弱さ、隠してきた(あるいは見て見ないふりをしてきた)何かを見に行こうとしている。

 

正直に言おう。めちゃんこ怖い。でも、そこにこそ次のステップに進むためのカギがあると信じている。



○フレッシュな舌で味見をする大切さ

「自分を大切にする」という考え方もある。自分を大切にして、自分が言われて嫌なこと、腹が立つことをわざわざ聞かなくても良いじゃないかと思う人もいるだろう。そういう人は、それで良いと思う。

 

例え話だけれど、カレーを作っていて、何度も味見をし過ぎて、どうしたらいいかわからなくなることはないだろうか。いま、このカレーに必要なのは塩なのかコショウなのか、はたまたカレー粉なのか、ひょっとしたら少しだけマンゴーチャツネを入れて甘みを足すべきなのか、わからなくなることがある。

 

それと同じで、ずっと自分という人間と付き合っていると、どこが良くて、どこがもっと良くなるのかがわからなくなる。そういうときに、舌がフレッシュな人に味見をしてもらうのは、とても有効な手段だとぼくは思う。

 

もちろん、とんでもないことを言われる可能性だってある。「そもそもこれはカレーなのか?」と、自分の根底からひっくり返されるようなこともあるかもしれない。でも、それも受け止める。そうしないと、結局今までのぼくのままだから。

 

この修行は万人におススメではないけれど、何か行き詰まりを感じているならば、トライしてみる価値はあるかもしれない。ずーっとカレーを作っているつもりだったのに、「いやこれ、豚汁やん」と言われるかもしれない。知れば、選べる。そこからカレーに移行することも、豚汁のまま突き進むこともできる。

 

耳の痛いこと、言われて腹の立つことほど図星、というケースは多々ある。

 

受け止める準備が出来ていないと、ただムカついて終わる。実にもったいない。ようやく、そう思えるようにはなってきた。

 

100%受け取って、自分の糧にしていくよ。

 

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